起業の現実。なぜ「好き」だけじゃ続かない?
「好きなことを仕事にすれば、毎日ワクワクできるはず!」「楽しく成功できる!」
そう思って起業したのに、ふとした時に湧いてくるこの気持ち。
「え、なんでこんなにしんどいの?」
「好きなはずなのに、全然楽しくない…」
私も、何度もこう感じたことがあります。
実際、まわりの起業仲間からもこんな声をよく聞きます。
たとえば――
料理が好きでカフェを開いたのに、
毎日の仕入れや経理に追われて、疲れ果てていたり。
写真が好きでフォトグラファーになったのに、
営業や事務作業に時間を取られ、気づけばまったく写真を撮れていなかったり。
でも、だからと言って、
「やっぱりやめよう」って、簡単には割り切れないんですよね。
本当は、楽しく続けたいと思っている。
せっかく“好き”で選んだ道だからこそ、 しんどくなって手放す前に、
立ち止まって見直してみてほしい。 そんな思いを込めて、この記事を書いています。
起業は「好き」だから続くとは限らない。
起業を考えたとき、多くの人がまず思い浮かべるのは、 「自分の好きなことを仕事にしたい」という気持ち。
私もそうでした。
もちろんそれが悪いわけではなく、好きなことで成功したり、お金を稼げたら幸せですよね。
でも実際にやってみると、 「好きなことを仕事にする」には、思っていた以上のギャップがあるんです。
好きを仕事にする落とし穴
1. 仕事には向いていない「好き」もある
私の高校生の頃の夢は、ディズニーダンサーでした。
ちょっと意外かもしれませんが、私は高校時代、本気でディズニーランドのダンサーを目指してました。
その夢のために、東京にあるダンスの専門学校に進学し、ダンサーのオーディションも受けて
なんと最終選考まで残ったんです。
でも、結果は不合格。最後の最後で落ちてしまいました。
もちろん悔しかったけれど、それ以上に驚いたのは、
オーディションを受けたあと、自分の気持ちがスッと冷めてしまったことでした。
「あれ?私、この世界で働きたいんじゃないかも…」
実際に舞台で踊る自分の姿をリアルに想像してみたとき、
なんだかワクワクしなかったんです。
しかもオーディション会場がディズニーランドの裏側だったこともあり、 夢の世界の“裏の現実”を見てしまったような、少しさみしい気持ちもありました。
小さい頃からバレエを習っていて、
ディズニーのショーを「見る」のが本当に大好きだった私。
でもそれは、夢の国で、非日常に包まれるあの感じがたまらなく好きだったんです。
でも、「自分がそこで踊る」「誰かを喜ばせる提供する側に回ること」、
仕事にしたい好きとは違ったんですよね。
「好き」だからといって、必ずしも「仕事に向いている」とは限らない
「好きだから、仕事にしたい」がいつも正解とは限らない。
この経験で私は、そんなことをはじめて実感しました。
あなたはなぜ今の仕事を好きだと感じて始めたのか、好きの深掘りをしてみるのもいいかもしれませんね。
2. 「好き」でも、成果が出るには時間がかかる
もう一つ私の経験をシェアさせてください。
私が起業初期に経験した中でも、印象に残っているのが「レシピブログ」に挑戦した時のこと。
ヘルシーな食生活が好きだった私は、育児の合間にレシピを考えてはブログにまとめるということを始めました。
ウェブデザインの経験も少しあったので、
「私、これできそう!」という勢いで始めたのですが…
実際はというと——
レシピを考えて試作
材料を買いに行き
料理を作って撮影・編集
ブログ記事を書く
SNSで発信する
…これだけで、1記事に1週間以上かかることもざらでした。
しかも、当時は0歳の息子の育児中。
一記事を書き上げるだけで、ものすごく時間とエネルギーを使いました。
それでも「好きだから頑張れる」と思って続けていたけれど、
ブログを始めたからといって、すぐに読者が増えるわけでも、成果が出るわけでもない。
「私、これだけ頑張ってるのに…なんで結果が出ないんだろう」
そう思いながら、気づけばブログの更新も止まり、
好きで始めたはずなのに、どんどん苦しくなっていき
だんだんとその場から自然と離れていってしまいました。
振り返ってみると、「好きだから頑張れる」「好きだから成功できる」と信じすぎていて、
思っていた以上に、現実とのギャップに心がついていけなかったんだと思います。
好きなことだけじゃ済まないのが、起業
起業をすると、当然ながら「やりたいこと」だけをやっていればいいわけではありません。
特に起業初期や一人ビジネスでは、すべてを自分でやる必要があります。
経理や事務処理などの細かい作業
SNS投稿やブログ、メルマガなどのマーケティング
商品づくり・価格設計・販売の導線づくり
セールス・お客様対応
そして、すべての意思決定
「好きだから頑張れる」は、確かに一つの力になります。
でもそれだけでは、現実のタスク量やプレッシャーには太刀打ちできないこともあるんです。
(もちろん、AIやツールで軽減できる部分もありますが、すべてを任せられるわけではありません)
好きなことを軸にしているからこそ、
地味な作業にも向き合い、売上や責任にも向き合い、
“やりたくないこと”をどう乗り越えるかがカギになってくるんです。
「好き」はスタート地点。そこから続けるには工夫が必要
「好きなことを仕事にしたのに、なんだか苦しい…」
そう感じたことがある人は、あなただけじゃありません。
それは、あなたの努力が足りないわけでも、向いてないわけでもありません。
好きなことを仕事にするのは、とても素敵な選択ですし、
でもそれが“しんどい”に変わる瞬間は、誰にでも訪れます。
「好き」だけで続けるのが難しいこともあるという、ただのリアルなんです。
でもだからこそ——
「好き」を守りながら続けていくには、
モチベーションに頼らず「どう自分の気持ちや仕組みを整えていくか」がとても大切なんです。
次回の記事では、そんな「好き」を続けるために、
私が実際に行っている「楽しく続けるための工夫」や「感情に左右されない仕組みづくり」について、具体的にお話ししていきますね。
あなたの“好き”が、もっと心地よく、そして長く続けられるものになりますように。
起業して、好きなことに疲れそうになったときは—— 少しだけ立ち止まって、「自分に合った続け方」を一緒に見つけていきましょうね
なぜ好きだけじゃ続かない?
計画通りに行かないことで悩んでる方はこちらの記事も読んでみてね
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